AIで薬剤師の仕事を削減せよ【未来の薬剤師】

こんな疑問にお答えします。

結論から言うと、薬剤師の仕事の半分以上は、AIにとって変えるべきです。

先日、このようなツイートをしました。

薬剤師の仕事の半分以上は、AI（人工知能）にとって変えるべき。理由は、やるべきことが他にあるから。調剤や監査、在庫管理はAIでもできる上に、AIの方が人より優れていることは、サルでもわかる。薬剤師は早めに単純作業から抜け出して、患者の利便性や治療、安全管理にフォーカスしていくべき。

— 佐藤マモル＠ハッピーお父さん (@happypapasan) March 19, 2019

私はこれまで薬剤師として、調剤薬局、ドラッグストア、病院薬剤師として合計で12年以上働き、今は病院の薬剤部長として病院経営に関わっています。

薬剤師でなくてもできる仕事は、70％以上

新米薬剤師さんにはいきなり訃報ですが、事実を述べます。
言葉を選ばずに言うと、調剤薬局・病院薬剤師を問わず、薬剤師業務の半分以上を占める調剤・監査・在庫管理・DI業務*は薬剤師でなくても務まります。
（*DI業務；Drug Infomation. 医薬品情報を収集し、スタッフに共有する業務）

理由は、これらは全て単純作業で、機械の方が得意だからです。逆に、調剤や監査で失敗してもヘコむ必要はありません。人は誰でも間違えますから。あなたを叱った先輩も、過去に必ず失敗しています。

AIの方が人より優れてる理由

事実として、今の調剤システムには薬の名前や規格、禁忌、相互作用情報など、大量の情報が取り込まれており、薬剤師が調剤する前に、すでに処方監査を行っています。

こういった、処方監査は適応外使用も含まれるため、AIに任せるのは不可能と思われるかもしれません。
（*適応外使用；医薬品が公的に認められた適応以外に、医師の経験に基づいて使用すること。例）咳止めの薬を便秘薬として、下痢の患者に使用する）

ところが、人の経験に基づく判断には、必ず根拠があるというのが、人工知能の基本設計です。現に、大量のCT・MRI画像を読み込ませたAIが医者に匹敵する画像診断能力をつけています。むしろ、膨大な知識を詰め込むことができるAIの方が、間違いが少なくなる。勘違いしてはいけないのは、AIは大量の情報をストックしているだけではなく、情報をもとに一定の判断ができるようになる、と言うことです。

人の頭で考えるべき仕事

AIが優れているからと言って、薬剤師の仕事がなくなる訳ではないです。患者の副作用チェックや在宅医療、救急医療など、患者と直接関わる仕事は人にしかできません。

それに、AI技術の進歩は著しいですが、AI全盛期の未来が来るのはまだ少し先です。しかし、その時代は確実に来るでしょう。すでに人口減少は始まっていますし、将来少ない人口で高齢者を支えるためには、AIを利用して、業務の効率化進めるべきです。

AIを使いこなして薬剤師を進化させる

今の薬剤師さんで、患者のバイタルチェックをできる人はどれだけいますか？1次救急のABCを知っていますか？薬剤師は患者に触ってはいけない、などと化石のようなことを言っていないでしょうか？

調剤・監査は薬剤師の基本スキルですが、初めて見る薬について、自分の力で調べられる能力を身につければ十分です。新しい薬は次々に出てきますから。

患者と関わるスキルを磨く

それとは並行して、患者と関わるスキルを磨いていきましょう。
患者の身体所見やカルテを見る力を鍛えましょう。患者さんに薬の副作用が出ていないか？不要な薬を飲んでいないか？患者さんが困っていることは何なのか？

薬剤師はAIを駆使して単純作業から抜け出し、患者の悩みにフォーカスした薬剤師に進化すべき、変革の時がきています。

スキルを磨く場所を選ぶ

こういったスキルを身につけるには、病院薬剤師になるのが近道です。調剤薬局でも患者とのコミュニケーションに力を入れていたり、在宅医療にフォーカスしている薬局が増えています。ただ、選んだ先で本当に学びたいことが学べるかどうかはきちんと自分で調べましょう。

と言っても、転職エージェントに協力してもらう方が確実です。病院は全国で8500件、調剤薬局は50000件以上あるので、自分で調べるのはほぼ不可能です。時間は有効に使いましょう。

大手の転職サイトを2社程度登録しておけば、ほぼ問題ないです。参考までに大手サイトのリンクを載せておきます。


少しでもお得に転職したい方は、こちらの記事もご覧ください。
>>転職はお金を稼ぐ武器になる！【薬剤師のお得な転職】

以上です。